• 徹底排除宣言

ー性感ホストはイケメンでなくてもいいー

ホストは嫌いだが、性感ホストは好きだ。私の性感ホストデビューは12年程前に遡る。まだ「性感ホスト」という呼称が認識されていないころから、興味を持ち呼んでみた。

 私はネットで性感ホストを選ぶとき、絶対にその店の『店長』を指名する。性感とは謳っていても、最後の語尾はなにせ【ホスト】である。看板を背負った【ホスト】だったら、それなりにイケメンで、女性に慣れており、年齢も妙齢なはずだと勝手に思い込んで、電話の問い合わせのとき、「店長さんって、指名出来ますか?」と、訊いた。店長さんはいわゆる、経営者である。そういうと、だいたいが、「いいですよ」と、快く引き受けてくれる。

 性感ホストのサイトを見てもわかるが、さほどイケメンはいない。むしろ、え? と、失笑してしまいそうな容貌の男性もいる。そういう男性がいるということは、需要があるからだ。女性は自分に自信がない場合、自分に見合った男性を探す。またその逆もしかりだが、だいたいは、身の丈にあった人を好む。自分よりも容姿の悪い男を故意で選び、安定なマッサージを好むからだ。イケメンだと緊張するぅ。そんな声を訊いたことがある。なので、ホストは顔だが、性感ホストは、顔ではない。態度と癒し。「いいですよ」そう、応えてくれた、性感ホストの経営者とホテルで落ち合った。

 年齢は当時で32歳。私と似たり寄ったりの年齢で話もあったが、それ以上に驚いたのが、本当に絵に描いたようなイケメンだったのだ。「以前は、性感ではなく、普通のホストでした」と、話してくれた。年齢もあり引退をし、性感ホストを立ち上げたといった。けれど、滅多に現場に出ることはないといい、指名されたら出るよ。と、付け足した。ひどく女慣れをしていた。最初は遠慮がちだった、手先が私の身体全てを徘徊する。

 そのころはソフトタッチなんて言葉はなかったはずだが、触りかたが、今までにないくらい気持ちよくて私は一回で虜になった。けれど、さすがプロ。絶対に、何度か誘っても、誘惑をしても、私と寝なかった。ホストだから簡単に落とせると、思い、寝たらお金を安くしてもらえるかも、なんていう浅ましい思考は相手にはお見通しだった。

 しかし、癖になる絶品な愛撫は私の頭の中に埋め込まれ、いかんせん、営業トークだとわかっていても、「綾さんだから無理してきたんだ」などとうっとりする言葉を並べられ、その性感ホストにかなりのお金をつぎ込んでしまった。

 ある日。施述が終わり、脱衣所に行ったそのホストを見たら、な、なんと、カツラだっただ。見てはいけないものを見てしまった。私は目を伏せ、現実に返った。カツラなのはどうでもよかった。そのホストはかなり疲弊をしていた。常連のお客さんからお金を引っ張るために、寝るまも惜しんで出かけていくといっていた。とれるところから、お金が取れればいい。などともいっていた。

 私からはそうお金を取らなかったのは、お金がないとわかっていたからだろう。そのホストの優しさは心に沁みたが、もう、それっきり電話をするのはやめた。後にも先にも、【ホスト】という呼称の部類にハマったのはそれきりである。男は顔ではない。性を熟知した性戯。女性は受け身だ。性感マッサージ動画を見て興奮するのも女のほうが断然と多い。ガツガツより、さわさわ。これが大事である。

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