• 徹底排除宣言

kaikan小説 21| なめたいはら

「お電話ありがとうございます。中根さま」

すっかり常連の人種に成り上がっているあたし。けれど電話をして、中根さまと名前を告げられるととても嬉しくなる。利用者記録に登録されていることは百も承知だし、お客さんの名前を呼ぶことはどの業種に至っても同じだけど。

「こんにちは。どう? 今夜? いる?」

この4文字の単語をいえば、電話口のオーナー・森崎さんは即座にこたえてくれる。

「ええ、いますよ! ちょうどよかったです。中根さまにごあつらえ向きの男の子がおととい入店して、」

森崎さんはそこで一旦言葉を切って、ちょっとまってくださいね、と、つづけた。

「今夜でしたら、午後8時なんていかがでしょうか」いかがでしょうか、の語尾はもう質問系ではない。いかがです、に切り替えてくれてもいいのに、と、思う。

なにせあたしが電話をして断ったことなどないのだから。それに指名もしない。あたしのタイプを理解している森崎さんに任せている。

「ええ、いいわ。ふふふ。たのしみね」

「あはは、期待して待っててくださいね。いつものホテルでいいです? こちらでおさえておきますよ」

じゃあ、おねがいね、タバコに火をつける音が電話越し耳の中で弾ける。森崎さんは控えめにタバコの煙を吐き出す。ささやかな音がいつもあたしの欲望を掻き立てる。

________

指定されたホテルの部屋に先に入る。あたしは先に入って男の子がうろたえながらも入ってくるさまが好きだ。今夜くるのは『24歳のタカユキくん』

午後8時を少し回ったところで部屋のチャイムが鳴る。どうぞ、あたしは大人の余裕を見せるよう大きめな声をだした。

「こ、こんばんわぁー」

部屋のドアが開き逡巡をしながら入ってきた『タカユキ』くんは、わわわ、と、声がでちゃうほどにあたしのどストライクの男の子だった。

「こんばんは。あたしは京子。今夜はよろしくね」

「あ、あ、はいっ、」

んー、参ったぁ、可愛いすぎる。この寒いのに額に汗をかいている顔にぱつんぱつんのスーツ姿。肉肉しいほどにはち切れんばかりのお腹。それにいも虫を彷彿させるあの指。

「ここに、座ってくださいね」ふふふ。あたしは微笑む。タカユキくんは、袖で額の汗を拭いながら、あ、おじゃましますぅ、と、よそよそしい感じで隣に腰掛けた。

「すみません、まだ、不慣れだし、って、それに、この体格だし、」あはは。タカユキくんは泣きそうな顔をして嘘くさい笑顔を浮かべる。

あたしは首をよこにふって

「あら? なんであやまるの? あたしはタカユキくんが好みなの。森崎さんに聞いてない?」

まあ、それなりに、タカユキくんはぼそっとつぶやいた。「ふっくらした男子を好きな女性はたくさんいるわ。細ければ顔がよければってだけじゃ出張ホストは出来ないの。器量なのよ」

わかるかなぁ? あたしはタカユキくんの顔を覗き込んだ。

うつむいた顔には緊張と自分の体型へのコンプレックが溢れていた。これからよ。タカユキくん。あたしは胸底でエールを送る。

ベッドの上に上がると別人になってあたしの身体を隈なく舐めて、愛撫を施し優しい声で「かわいいです、きょうこさん」と、甘い声音でつぶやいた。ああ、そうはいってもやっぱりタカユキくんはプロ意識があるんだなぁと思うと余計に応援したい気持ちが生まれた。

「舐めていい?」

「えっ?」

ざんざんイカされたあと、最後にお願いをしてタカユキくんのお腹を舐めさせてもらう。

「わ、くすぐったいですって」ククク、笑いを殺すのに必死な彼を横目でみつつあたしはこのお腹を食べてしまいたいという思いをこめてへそのまわりを重点的に舐めた。

「あははは、」

タカユキくんの屈託のない笑い声。あとで森崎さんに電話をしておこう。

「今日も最高でしたよ」と、そして「また大きな身体の男の子いたら教えてね」そうつけたして。

あたしはその実。スー女だ。

相撲が相撲取りが大好きなのだから。

太っていてもね、性感ホストは出来るんだよね〜。だってフェチだもん!

早く大阪場所始まらないかなぁ〜。

この記事を書いた人

エロいことが好きな謎のアダルトライター 基本的には眠ることが一番好き