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kaikan小説 15 |いちゃいちゃだけ……

2週間前に性感コースを頼んだばかりなのに、また明日の夜の枠に予約をいれた。人間とゆう生き物はなんと精密な脳を持っているのだろう。一旦覚えた快感が脳内にインプットされ一種の中毒になる。

まるでタバコのようだ。

また吸いたくなるように、またあいたくなる。

セガミさんと出会う前。あたしの身体は3年程男性のぬくもりや声そして官能の愛撫のことなどすっかり忘れていた。

決してモテナイ訳ではない。ただなんとなく男性の体温から遠ざかっていただけだった。仕事が忙しかったのもある。俗いう『お仕事が彼氏』ってやつだった。

それが、ふとしたことで呼んでみた性感ホスト。あたしはその時、初で潮を吹き、感じすぎて白目を剥き、あげく吐きそうになった。

ほどんど狂気のような嬌声をあげていたのだ。

知らなかった。あたしの中の牝(メス)の部分。

欲していた男性の体温を。

しっかり糊で固くなっていた真っ白なシーツは最後は見事に水たまりになっていた。それを見て急にカーッと身体が火照ったし、初対面の男性にここまで感じさせられるなど羞恥がかき乱された。

その次の日はとても調子が良くって『あさこさん、今日顔色いいわね』とか『なんだかフェロモン出てるぅ〜』と、嘘かもしれないけれど何人かの同僚にいわれた。

『やだぁ。気のせいよ』なんて笑いながら話しを濁したけれどまんざらでもないのは自分でもわかった。

 

__________

 

「また、呼んじゃった」

やっとあえた。2週間ぶりにあうセガミさんはあいかわらずエスコートがうまい。ラブホテルのエレベーターに一緒に乗る。手を恋人つなぎにして。

「また、呼ばれました。嬉しいです」

狭い密室の中でフレンチキスをされた。セガミさんの顔はお面のように綺麗な顔をしている。あたしはついうつむいた。恥ずかしい。

「あさこさん、今日はどのような御プランで行きましょうか?」

部屋に入って真っ赤なソファーに腰掛ける。セガミさんはそうあたしに質問を向ける。80分とだけしかいってない。なのでホストがこの時間をどう使いたいのか聞いてくる。とてもいいアイディアだと思う。そのときにしたいこと。

「いちゃいちゃ」

「えっ?」

いちゃいちゃ? セガミさんが同じよう繰り返し首をかしげる。

「そう。いちゃいちゃしたいの。時間目一杯」

「毎回、いちゃついてますよ」あははは。セガミさんは笑う。あたしは、首をよこにふってから

「違うの。ソフトいちゃいちゃって感じ……かなぁ。脱がなくてもいいの……」

ラブホテルの簡易的なソファーはお尻がかたい。うちのソファーではないことだけでドキドキしてしまう。

「わかりました」

低い声が上からふってくる。そうして温かい手のひらがあたしの髪の毛を優しく撫ぜる。華奢に見えるけれどやっぱりこの人は男なんだなということを突きつけられる。

柔軟剤の匂いのしたシャツに抱かれあたしはまるで猫になる。そんなに頑張らないでもいいんだよ。心の中の声が聞こえるようだ。

シャツに香る柔軟剤の匂い。もしかしたらセガミさんには家庭があるのかもしれない。

なにも知らない。表面的なことだけしか。

けれどそれでいいのだ。知ってどうする? 今だけはマサキさんはあたしのものだ。

「今度は背中を撫ぜて……」

「はい」

もう……。

背中にある手が温かい。誰かに撫ぜて、いや、触れらてもらうことは生きて行く肥やしになる。

女だから。あたしは。

この記事を書いた人

エロいことが好きな謎の風俗ライター。 ミリオン出版『俺の旅』コラム連載。 趣味 読書